カンボジアの澄んだ瞳

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杉原健一(東京吉祥寺道場責任者)

 
中込祥高(「JHP・学校をつくる会」事務局次長)
 
中嶋幸作(滋賀中央支部指導員)
 
 
三好一男(新極真会副代表)

私たちにできること

中込 私たちの活動は、直接的にすぐ何かの効果があるわけではありませんし、ボランティアに参加した大学生は一般企業に勤めたり、普通に社会で働く人がほとんどです。しかし、若い時にカンボジアで音楽を教えたり、ブランコを作ったりして子供たちと交流した経験を持つ人は、経験をしていない人とはまったく違い、心も豊かで物事を変えていく力がつくように思います。実際、社会に出てから、自分の会社で社会貢献活動をして、JHPの活動に協力をしてくれる人もいます。その小さな動きが、学校を一棟建てることまでにつながり、学生時代のたった一カ月のカンボジアでの経験が生きていると実感します。最初は個人の小さな動きかもしれませんが、それが会社を動かして大きな力を発揮するんです。当会代表の小山内美江子もよく言いますが、カンボジアの子供たちに支援をすると同時に、日本の若者たちにもそういった活動をさせようという二本柱の意味が、15年経ってやっと芽が出てきたのかなと思います。直接的なことばかり求めてはダメで、その経験を自分の中で熟成させ、他の経験とミックスさせながら、一社会人として自分がどうあるべきか、どう心豊かに生きていくのか、そういうところで絶対にカンボジアの経験が生きてくるのだと思います。

三好 新極真会でも、これから指導者になろうとしている人には、ぜひカンボジアなどで指導してもらいたいです。現地で子供たちの笑顔と澄んだ瞳を見た時、そして自分の教えたことを理解してもらった時、その喜びを感じて日本に帰った時に、指導にも幅が出てくるのではないかと思います。
「カンボジアの子供たちの笑顔のために、未来に向かって輝く澄んだ瞳のために、空手を通じた活動をしていきたい」(三好)
 

これまでにも機関紙などで社会貢献活動について紹介してきましたが、今後は大会パンフレットでのボランティア募集や、JHP15周年記念イベントでの協力、指導の再開に向けた活動など、JHPと協力して、カンボジアの子供たちの笑顔のために、未来に向かって輝く澄んだ瞳のために、空手を通じた活動をしていくこと。これが私たちの課題です。

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空手LIFE 2007年8月号より

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