「RIDE ON TIME!」
2008年1月7日(月)17:10〜17:25放送に出演しました。


−「RIDE ON TIME!」。このコーナーでは、いろいろなスポーツに目を向け、高知内外で活躍されている方にお話を伺い、その魅力をお伝えしていきます。

今回は、新極真会三好道場、師範の三好一男さんをお迎えしてお話をお伺いします。三好さん、よろしくお願いします。

三好)よろしくお願いします。

−やっぱり大柄ですね〜?

三好)そうでもないですよ。現役のときは、“小柄の三好選手”ってよく言われてたんですけどね、横にだいぶ太ってきました(笑)

−(笑) やはり、現役を引退すると・・・。

三好)丸くなりますね。性格も身体も丸くなります。

−そうなんですね。やはり闘っているときはピリピリしてたんですか?

三好)そうですね、鋼のような性格になりますよ。どうやったら相手を倒せるかってことばかり考えてますから。

−それは普段の生活からですか?

三好)そうですね、一日中考えてます。


−さて、新極真会三好道場と言いますと、今年もニュースでやっていましたが、お正月恒例の行事がありますよね。

三好)桂浜での寒稽古ですね。空手独特の稽古です。大山倍達総裁に言われ池袋の本部道場から高知に派遣されてきて、「新極真の門下生で桂浜をいっぱいにしてみせます」、という意気込みで始めました。

−寒さに打ち勝つことで自分にも打ち勝つということなんでしょうか?

三好)3〜70歳ぐらいまでの方が200〜300名ほど来られていますが、皆さん心身ともに鍛えたいということで素肌に道着で来ますからね。高知で一番寒い時期を選んで、日本で一番最初に稽古を始めようということで。何でも一番がいいですからね(笑)。元旦の朝、日の出前を選んでやってます。桂浜から見る初日の出は最高ですよ。今年一年の誓いを立てるということですかね。

−でも、例えば私なんかが急にやろうと思っても無理ですよね?

三好)いや、そんなことはないですよ。海に入るのも希望者だけですし、保護者の皆さんが子どもたちのためにたき火も焚いてくれてますし、豚汁も用意してくれてます。それが楽しみで来てる子どもたちもいますよ。

−なるほど。さて、新極真会ですが、改めて、どういう会になるのか教えていただけますか?

三好)大山総裁がつくった極真空手を広めようという団体で、新極真会は、プロではなくアマチュアリズムを貫き通すという空手をやっています。プロとは一線を画し、青少年の育成を目指し、弱い人を助けてあげられるような強い男になろうという考えですね。

−女の方はいないんですか?

三好)特に最近は小さいお子さんや女の子が多いですよ。世相を反映しているのかもしれませんが、護身のために、受験戦争を勝ち抜くために、礼儀作法を身につけさせるために、などの理由でお母さん方が連れてくるケースが多いですね。

−三好さんご自身も小さい頃から空手をやっていたんですか?

三好)私は『空手バカ一代』という梶原一騎先生の漫画で大山総裁を知り、直弟子になろうと、国士舘大学に進学すると同時に池袋の大山総裁の門下に入りました。

−出会いは漫画だったんですね!?

三好)そうなんですよ。毎週毎週、連載していた「少年マガジン」を読むのが楽しみでした。

−で、いきなり東京から始められたんですね。

三好)やるからには一流、トップの道場でやらなければいけないと。私は愛媛の新居浜出身なんですけど、高校卒業して8年池袋の道場におりまして、大山総裁に高知に広めてくれないかということで、高知に来て、もう24年になります。空手がなかったら高知には住んでいないと思いますね。あとは、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読みましてね。どうせ行くなら高知に行きたいな、という思いはありました。何より大山総裁の命令ですからね、行けと言われたら、「押忍!」と言って行かなければいけないんですよ。

−上下関係はかなり厳しいんですね。

三好)大学もそうですし、道場も厳しかったですね。いまの学生に話しても信用してもらえないですけど、例えば、「蹴りをやれ」と言われてやっている最中に国際電話がかかってきて大山総裁が電話に出るわけですよ。そのまま40分も50分も帰ってこない。だけど、「ストップ」って言われてないからその間ずっとやめられないんですよ。一番長くて1時間半蹴りっぱなしということもありました。そういう世界でしたね。当時つらい思いをした人たちがいま全国に散らばって新極真の普及をしています。だいぶ今は柔らかくなってきましたけど。

−ただ、厳しいだけじゃなくて、きちんとした礼儀作法も教えてくれるんですよね。

三好)いまの子どもたちを見てても、親と友だちみたいにしゃべるんですよね。必要な縦の線っていうのはあると思うんです。言葉遣いや目上の人を立てることなど、最低限の日本人としてのマナーは教えるようにしています。

−道場に入って、一番最初にすることって何なんですか?

三好)やはり道場の掃除から始まってですね、大きい声で挨拶をする、そういうことからやりますね。それができないと次の段階にいきません。そうじゃないとただの暴力になっちゃいますからね。

−普段はどういう稽古をされるんですか?

三好)基本の反復練習ですね。基本は、つき、蹴り、何十種類もありますが、何度も何度もそれを繰り返して、それを乗り越えた人が応用を覚えていくんです。

−三好さんのように、師範になるにはどれぐらいかかるんですか?

三好)うーん・・・。好きじゃないとなれないと思いますよ(笑)。好きだったらなれる。子どもたちにもよく言うんですけど、何でも自分の好きなことだったら続くから、なるべく早く好きなことを見つけなさい。そうして、その世界で一流を目指したら夢は叶う、と。親に連れてこられて嫌々やってる子はかわいそうですよね。

−小さいお子さんは多いですか?

三好)3歳からいますから、まるで保育園状態ですけど、楽しいですよ。子ども全体の数は減っているはずなのに、なぜかうちでは年々増えていますね。

−私たち大人も、自分の身は自分で守らなきゃっていう意味では習いたい人も多いと思うんですが、護身用にも教えてくれるんですか?

三好)そうですね。中には、ケンカに強くなりたいって言って入ってくる子もいるんですよ。でも、修行をする中で組み手をするときに、相手にたたかれるとやっぱり痛いですよね。その痛みが分かってくると、だんだん日常生活でケンカもしなくなるんですよ。人間が変わってくるんでしょうね。強くなればなるほど優しくなってきますね。痛みが分かるから。

−お話を聞いていると、「うちの子にも習わせたいわ」という方もいらっしゃると思うんですが・・・。

三好)子どもさんに見せて、興味があれば、どんどんやらせてあげれば上達は早いと思いますね。

−三好道場はどこにあるんでしょうか?

三好)県内20ヵ所以上あるんですが、詳しくはHP(http://www.miyoshi-dojo.or.jp/)でご覧ください。

−最後に、三好さんにとって、空手の魅力とは?

三好)僕にとってはやっぱり人生のすべてですね。空手をやっていじめられていた子が、強くなって立ち直る姿を見るのが私の生きがいです。

−今日は、新極真会三好道場の三好一男師範をお迎えしてお話をお伺いしました。三好さん、ありがとうございました。

三好)ありがとうございました。