近年、めざましい成長を見せる新世代の選手たち。今年6月にロシアで行われたワールドカップには10代の3選手が出場、若い翼がついに世界に羽ばたいた。国内でも、体重制で闘うウエイト制大会だけでなく、無差別で行われる全日本大会でも10代の強さが証明されつつある。10月の東京体育館で並みいるベテラン選手たちに冷や汗をかかせる者、さらには金星を挙げる者が次々と現れたことは記憶に新しい。
その急成長の原動力になっているのが、5回目を迎えたこのユース合宿であるといっても過言ではない。小学5年生から19歳まで、全国から集った選手たちが切磋琢磨を繰り広げる3日間。同世代のトップ選手がしのぎを削る中で得るものの大きさは計り知れない。
そして彼らの指導に当たるのは、今年の全日本大会を制した塚本徳臣、昨年の王者・山田一仁、さらには第9回世界王者の塚越孝行といった日本を代表する選手たち。世界で闘う先輩が自分たちの持つ技を惜しみもなく後輩に伝える。合宿のテーマでもある。この「伝統・継承」の志がユースの躍進という大きな波を生み出してきた。
今回の合宿には、特A・A・Bあわせて過去最多の239名が参加した。その先頭に立つのは、6月の第4回ワールドカップで世界を経験した2選手。2期連続で主将を務める島本雄二と、同じく2期目の副将となる将口恵美。そして今年のウエイト制大会で軽量級王者に輝いたもう一人の副将・前田優輝ら、全日本クラスの大会で入賞し、最高ランクである「特A」に名前を連ねた選手は昨年の倍の8名にのぼった。その背中を追う高校生、小中学生。ドリームカップの優勝者や各支部で推薦を受けた選手ら、大きな可能性を秘めた原石たちだ。
まさに次代を担う若者たちが一堂に介した合宿は、彼らの勢いそのままに熱を帯びたものとなった。
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