一般女子フルコンタクトの部の決勝に上がってきたのは高知支部の福原茉奈と福岡支部の藤原桃萌だった。
福原は準決勝で大阪北支部のベテラン扇谷友美を破っての決勝進出。軽量級ながら、初優勝を目指しての闘いに挑んだ。
対する藤原は一週前に開催された全関東大会からの連戦となるも、初戦は兵庫中央支部の玉置麻衣子を突きとビザ蹴りで圧倒し、続く準決勝では昨年の王者で福原の実姉である中野葉子を破り決勝に進出した。
体重無差別で行なわれたこの試合、56kgの福原に対し、藤原は70s。さらに身長は155mの福原に対し、167mと長身の藤原。身長で12cm、体重差に至っては14sという福原にとっては厳しい体格差がのしかかった。
試合開始の太鼓が鳴らされると、試合序盤は、回り込みながら突き蹴りを放つ福原と、どっしりと構えて突き蹴りを返す藤原の攻防が展開。両者の技が交錯すると、全体重を体ごとぶつけてくるような藤原の突きに、福原は攻めあぐねてしまう。
そして、福原が回り込んで飛び込もうとするところに、藤原の突きのカウンターが襲いかかる。福原の動きは決して悪いわけではないが、体格差を補うまでには至らなかった。
勝負は判定に持ち込まれたものの、4−Oで藤原が勝利した。
この他、全四国大会といえば型の部も充実している。これは主催者である三好一男師範の意向が色濃く反映されているものだ。
「型が巧い選手は組手にも活きてくる。型と組手は表裏一体である」と、つねに三好師範は型の重要性について説いていることから、おのずと大会も型が重視されている。
とくに団体型の部は毎年、熱戦が繰り広げられている。今大会は、決勝に進出してきたのは高知Eと和歌山。どちらも一糸乱れぬ団体型を演じ、甲乙つけがたい内容であったが、僅差で高知Eが勝利した。
型の一般男子上級の部では昨年の王者で香川中央支部の松葉総司が安定感と円熟味のある型を演じ、同クラスにおける連覇をはたした。
型の中学・高校男子上級の部では高知支部の山中湧太・堅太の兄弟が揃って決勝に進出。仲良く兄弟決戦となったものの、兄の湧太が貫録を見せ勝利。今後も兄弟での熱い闘いが繰り広げられることは回違いない。
今大会、四国から王座が流失してしまう階級があったものの、一般男子上級の部では三上和久、西尾総悟ら四国の若手が大健闘した。
大会終了後、三好師範は参戦してくれた長野義徳をねぎらいつつも『長野選手に食い下がる西尾、三上の姿を見て、彼らが世界大会に出場することも夢ではないと思えてきました』と、見えてきた将来への希望を語った。 |