
三好一男 副代表
(日本代表総監督) |
−今大会の結果を受けての総評をお願いします。
三好 10年前にユースを始めた時は中学生だった島本雄二選手が、見事に優勝をはたしました。彼は1回目の合宿の時から、基本や移動、2人組のペアの稽古でも、つねに試合と同じくらいの動きができていました。昔のユースの総評でも彼を褒めたことがあるんですけど、そのあたりから将来は上り詰めるような選手になるのではないかと思っていました。
−日本が王座を死守し、見事に伝統継承をはたしました。
三好 外国人選手と比べて小さい選手が多かったんですけど、日本の王座を守るんだという気持ちが伝わってくるくらい、全ての選手ががんまりました。ユースに始まり、世界大会を成功させるためのプロモーション、事務局の選手たちへのサポートなど、新極真会という組織全体が一丸となって歯車が噛み合ったことが、ベスト8に日本人選手が4人入った要因ではないかと思います。もちろん、島本選手の努力もありますね。彼は立ち上がれないくらいまで稽古をしたと言っていましたから。
−決勝戦は昨年の全日本大会と同じく、島本選手と入来建武選手の日本人対決となりました。
三好 結果的には副審の判定は2-2で割れましたけど、全体的に見ればやはり島本選手のほうが、心技体ともに一歩リードしているなという気はしました。ただ、20歳で決勝まで上がってきた入来選手もすばらしいと思います。良きライバルとして、次の世界チャンピオンを目指すふたりの闘いはおもしろいと思います。
−前田勝汰選手がヴァレリー・ディミトロフ選手に勝利したことも、大きかったと思います。
三好 前田選手のような、小柄で出入りが速くて突きが強いタイプはなかなか外国人選手にはいないので、ヴァレリー選手はやりにくいだろうなとは思ったんです。でも、まさか優勝候補のヴァレリー選手に打ち勝つとは思いませんでした。あれで日本に相当の追い風が吹きましたね。
−女子は16歳の南原朱里選手が決勝へ進出しました。
三好 驚きましたね。南原選手の根性には。大会前にいろいろな人から話を聞きましたが、南原選手があそこまで活躍するという予想は誰もしていませんでした。やはり、福岡支部という土壌だと思います。渡辺大士選手や森健太選手など、いろいろな先輩方に揉まれていることが、大舞台でも緊張せずに自分の力以上のものを出せた要因ではないかと思います。
−今回は10年間のユースプロジェクトが結実した大会だったのではないかと思います。
三好 10年前にユースプロジェクトを始めた時から、この11回大会がターニングポイントになるのではないかと思っていましたし、目標でした。ですから、ユースプロジェクトは大成功だったと思います。それと、第1期のユース・ジャパンでキャプテンを務めた島本一二三選手の存在は大きいですね。彼のがんばりが、後輩たちを引き上げてくれたと思っています |