大阪神戸湾岸支部の初主催により開催された今年の全関西大会。地元の期待を一身に背負い一般男子上級の部に出場した森下穣は、大会前から主役と言っていい存在だった。
「これまでにないプレッシャーを感じた」という森下だったが、順当にトーナメントを勝ち上がり決勝進出を果たした。
決勝の相手となったのは、同じユース世代の酒井瑞樹。20kg近い体格差もさることながら、酒井は昨年の全関西大会で敗れた梅田直紀に準決勝でリベンジを果たし、勢いに乗っていた。いくらホームグラウンドでの闘いとはいえ、森下にとって簡単に勝てる相手ではなかったはずだ。
そんな森下を勝利へと導いたのは、師匠である高橋誠支部長の声援だった。
試合が始まると、森下は左に回りながら下段とヒザで酒井を攻めていく。酒井も重量級の体格を生かしながらジリジリと圧力をかけていく。 |